酒は燗、肴は刺身、酌は髱

我が身の色をお隠しでないよ、着の身着のまま、ええじゃないかえ

2017年、漫画ベスト10

次は漫画です。

 

①月曜日の友達
苺ましまろ
③銀河の死なない子供たちへ
④あらいぐマンといっしょ
⑤悪魔を憐れむ歌
⑥ルーヴルの猫
⑦ライアーバード
⑧サトコとナダ
⑨魔術師A
⑩血の轍

 

 

1. 月曜日の友達 / 阿部共実

個別の記事にも書いたので改めて述べないけど、これは別格だし、年間ベストどころか生涯ベストだし。それも"生涯ベスト級"ではなく、生涯ベスト1。なんなら漫画に限らずあらゆるコンテンツにおける生涯ベスト1。来年の2月に最終2巻が出ることが決まっており、つまり来年の漫画ベスト1も既に決定しているという問題がある。

 


2. 苺ましまろ / ばらスィー

これは出るだけで事件という類の漫画で、今年は4年半ぶりに8巻が出た年だった。そして8巻は『苺ましまろ』史上でも最高の出来だったと思う。この漫画がギャグ漫画としていかに高度で緻密なことをしているかということを、完全に分からされた。コマとコマの間の時間の長短のコントロール。今年こんなに声出して笑った漫画は無い。

 


3. 銀河の死なない子供たちへ / 施川ユウキ

人類滅亡SFジュブナイル不老不死ラップバトル子育て漫画。これも来年最終2巻が出る。最高。

 


4. あらいぐマンといっしょ / 横山旬

大好きな横山旬先生。『変身』も大傑作のわりにはあまり知られていないし、というかこの漫画本誌では夏に完結しているはずなのですが、下巻は……出るよね……??出るよね????お願いしますお願いします。全員買ってくれ。

 


5. 悪魔を憐れむ歌 / 梶本レイカ

昨年『コオリオニ』で知った梶本レイカ先生。風呂敷の広げ方がすごいんだが、とにかく迫力があって、まとめてくれるに違いないと思わせられる。

 


6. ルーヴルの猫 / 松本大洋

阿部共実先生がツイッターで「定規の線は浮く」って言ってたけど、まさにこういうことで、ひとつのページの吹き出しの輪郭の線まで調和させるのが松本大洋

 


7. ライアーバード / 脇田茜

これを今年のランキングに入れている時点で全くダメ。去年1,2巻同時発売だったんだけど、なぜか一巻しか読んでなかったんだよね。しかしこれはすごい漫画だと思う。やっと気づいた。もっと上の順位でもいい。ぱっと見写実的な画風だが実のところかなりデフォルメしていて、特に共感覚の描写が実に漫画的。絵が良い。

 


8. サトコとナダ

アメリカで日本人とサウジアラビア人の女子留学生2人がルームシェアする漫画。2人がかわいい。そしてムスリムやアメリカについて普通に勉強になる。素晴らしいまんがだ。

 


9. 魔術師A / 意思強ナツ子

こういうのに弱い。デヴィッド・リンチの映画みたいな。世界もゴミ、自分もゴミ、でも生きてるなんて…… 再読すれば順位上がりそう。

 


10. 血の轍 / 押見修造

周回遅れで『ぼくは麻理のなか』にハマったというのもあり、押見先生の新作を。画力、特に人の顔についての画力が凄まじく、その一点で捩じ伏せにきてる漫画。

 

 

次点は、『ことなかれ』『不滅のあなたへ』『黄色い悪夢』くらい。いろいろ読み逃してるので、来年はもう少しアンテナ広げなきゃなと思ってます。